沢村秋岳がコーヒー片手にまったりと車のことをホンネで語るSAWAGAKUブログ

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サイドブレーキは必要か?

サイドブレーキ、パーキングブレーキ、と呼ばれるブレーキがあります。
これです。



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このブレーキは、日本ではサイドブレーキ、パーキングブレーキと表現され、海外に行くとエマージェンシーブレーキと表現されます。

エマージェンシー・・・。
緊急用のブレーキ?!
直訳から用途を推察すると、他のブレーキに異常があった場合に使用する、緊急用のブレーキ。という事になります。

マニュアル時代は必須であったこのサイドブレーキも、オートマ車の登場により、必要性に 『?』 を唱える方がいらっしゃいます。
オートマ車では、サイドブレーキはかけても意味が無い。
意味が無いからかけなくても良い。

という声です。


このサイドブレーキ、本当に必要ではないのでしょうか?
沢村秋岳が検証してみます。


まずは、簡単に構造を紐解いてみましょう。
車には3種類のブレーキがあります。
① ギアブレーキ
② フットブレーキ
③ サイドブレーキ


①のギアブレーキは、駐車した時に、ギアを「Pレンジ」に入れると、自動的に発動します。
これは、ATミッションの内部の歯車に爪の様なものを引っ掛け、ロックしてしまいます。
大元の歯車部からロックしてしまう訳なので、構造上は動きようがありません。


②のフットブレーキは、運転中に足で踏むブレーキで、一番使用頻度の高いブレーキですね。
フットブレーキは、ブレーキパッドと呼ばれる、タイヤ部にある円盤状のパッドに圧力をかけて車を止めます。
大きな運動エネルギーを持つ走行中の車を止めるために、(人力+倍力装置+油圧系統)によって、強い力を四個のブレーキパッドに加えます。
かなり強い力を持つブレーキです。


③のサイドブレーキ(パーキングブレーキは、ワイヤーを利用して、後輪の2つのタイヤにブレーキをかけます。
(人力+スチールワイヤ)ですので、強度は弱く、 「うっかりサイドブレーキをかけたまま走ってしまった」 という話もよく聞く話です。
ブレーキをかけたまま走行出来ることからも解る様に、ブレーキの中では一番弱いブレーキで、エマージェンシー(緊急用・非常用)と表現される理由も頷けます。


では、最初の問題です。
最初の問題を言い換えると、
ギアをパーキングレンジに入れた状態(強度大のギアブレーキ発動中!)で、最も弱いサイドブレーキをかける事になんか意味があるの?という話です。

うん、ありませんね(笑)
だから皆さん、サイドブレーキはやっても意味が無いと言うのですね。
納得です。





となってしまいそうなのですが、ちょっと待って下さいっ!!!
確かに一見意味が無さそうなのですが、他の角度から光をあててみると、また違った見方が出来ます。



問題は、Pレンジに入れた際の、歯車の強度です。
実は、ギアブレーキの歯車と爪は、あまり大した強度が無いのです。

前述しましたが、ギアブレーキは、ATミッションの内部に爪の様なものをひっかけています。
この引っかける歯車と爪はは、それほど大きな部品ではありません。
小さな歯車に金属の棒を引っかけているに過ぎず、その状態で強い力が加わると、爪が折れたり外れたりしてしまいます。

つまり、駐車中に衝突が加わると、爪が折れてノンブレーキの状態になってしまう。という事です。
もっと言えば、坂道等で常に歯車に不可がかかった状態で、もしその爪が金属疲労をおこして折れてしまったら。と考えると、とても恐ろしくなります。

だから、サイドブレーキはきちんと引いてください。と、いう訳なのです。 

サイドブレーキを引いて入れば、何らかの理由で爪が破損したとしても、弱い力なりに一定のブレーキ力が作用し続けます。

勿論、日本にある駐車場は平坦な場所が多いですし、衝突される事も殆ど無いだろう。という事で引かない方もいらっしゃるかとは思いますし、それはそれで個人の自由なのですが、基本的にはサイドブレーキは引いた方が良いと思っておりますし、受講者の皆様にはきちんと引いてもらいたく思っております。




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