ラウンドアバウト
先日、滋賀県守山市の立田町交差点において、ラウンドアバウトが社会実験として導入されました。
このラウンドアバウト方式は、日本では、長野県飯田市が約1年前に導入し、大きな注目を浴びました。
このラウンドアバウト方式。
元々は1970年前後に、イギリスで導入されたのを皮切りに、ヨーロッパ各地に普及しました。中でも、パリの凱旋門はとても有名です。
流石に、ここまでのラウンドアバウトになると、馴染みの無い日本人にとっては、「なんだこりゃ?」になってしまいますよね^^;)
このラウンドアバウト。
日本にも普及し始めましたし、今後も少しずつ伸びていく可能性があるので、まとめてみます。
まずは、ラウンドアバウトのメリットとデメリットを比較してみましょう。
【ラウンドアバウトのメリット】
〔安全面〕
・左折しかない(簡単)
・視認性がよい
・徐行が必然となる
・よって、事故が少なくなる
〔防災面〕:停電の影響を受けないので災害時に強い
〔効率面〕
・赤信号などの無意味な停止がなくなる
・Uターンが容易
・一度に沢山の車線を繋ぐ事が出来る
〔費用面〕:信号機がいらない(設備・管理・電気代の削減)
〔環境面〕
・信号が無くなる事により “景観” が良くなる
・信号の減少による電気代の抑制につながる
・無意味な停止がなくなる事により、加減速による無駄なエネルギーの抑制につながる
(上記により、排気ガスの排出量や燃料の消費量、騒音が減少する)
【ラウンドアバウトのデメリット】
〔安全面〕:歩行者の横断が困難
〔防災面〕:特になし
〔効率面〕:一定の交通量を超えると渋滞を引き起こす(信号機よりも単位時間あたりの交通量は劣る)
〔費用面〕
・中央に植木や照明を設置する場合は管理費が発生する
・通常の交差点よりも広い面積が必要(土地購入費が高くなる)
〔環境面〕:特になし
【進行のイメージ】
※進行の優先権は青い車両にある
※右側通行のイメージです。
【渋滞のイメージ】
軽井沢町六本辻ラウンドアバウト渋滞 #1 - YouTube
【安全テスト】
1998年に発表されたアメリカでの調査結果です。
11のラウンドアバウトにて、ラウンドアバウト建設前後での “年間平均事故数の比較” です。
全ての項目において、減少していることが解ります。
(wikipediaより引用)
【日本で設置されている主なラウンドアバウト】
長野県飯田市
参考http://www.city.iida.lg.jp/soshiki/29/raundoabautotorikumi-1.html
京都府京都市西京区
参考:http://blog.livedoor.jp/bucchie828/archives/50117455.html
京都府福知山市
参考:http://blog.livedoor.jp/bucchie828/archives/50126809.html
愛知県豊田市
参考:http://blog.livedoor.jp/bucchie828/archives/50117507.html
岐阜県各務原市
http://blog.livedoor.jp/bucchie828/archives/50125474.html
滋賀県守山市
参考:http://www.city.moriyama.lg.jp/pub/submit.nsf/1607ac0d2e72b6f549256db100454032/afd31f1722af4d2449257c56002d8f8b!OpenDocument
【ラウンドアバウトのまとめ】
安全面は誰もが納得する所ではありますが、交通量の限界値が低い事や、面積が必要になる。
そんな理由から、交通量が多く、歩行者も多い都市部には不向きな方式である事が伺えます。
しかし、交通量が少なく歩行者も少ない。そんな地方の道には、一定の需要はありそうです。
慣れれば簡単そうですが、まだ実際に、お目にかかった事の無い私としては、少しドキドキな感じです。
もし実際に、ラウンドアバウト方式の交差点が設置されたら、我々の運転の意識も少しだけ変化しなければいけませんね。
景観を大切にする京都府や、交通量の少ない地方では、今後も増えていくかもしれません。